秩父札所巡り






第六日目:法雲寺(30番)から法性寺(32番)へ(2005/10/12)



第30番 
瑞竜山 法雲寺 




観音堂

観音堂







降り続いた雨がやっと1日だけあがった。川越線から西武電車に乗り換えたばかりはまだ曇っていた空も秩父駅に近づく頃はだんだん明るくなっていった。山々の木々の先は心持ちオレンジ色に変わっている。通学時間が過ぎた後の車両には私たちが2人と運転手と車掌さんだけ。白久の駅は静かだった。
駅から少し歩くと、いきなり渓流に沿った登り道できつい。ふうふう言っている私たちを秋の野の花があちらからもこちらからも慰めてくれる。法雲寺の入り口では大きな灯篭が出迎えてくれた。一段高いところに庭木に囲まれて観音堂があり、その下の池には鯉が泳でいる。池の 傍らの藤の花が咲く頃はまた違った眺めが楽しめそう。
法雲時からの帰りがけに奇妙な植物を見つけた。拳骨ほどの大きさで赤や緑の実がとうもろこしのようにびっしりついている。通り道で女の子と遊んでいたお母さんに聞いてみたら家の中からお父さんらしき声で「この辺ではずっと蛇の腰掛と言っているよ。」と答えが返ってきた。

マムシ草ということが後でわかった。












もうすぐ紅葉

もうすぐ紅葉













やっと見えた武甲山

やっと見えた武甲山







白久駅で聞いたとおり赤い橋を渡って国道に出た。しばらく歩いて鳥居をくぐリ雑木林の山道が続くのかと楽しみにしていたらのんびりとしたアスファルトの道に出た。2時間に一度ほどバスも通っているようだが、私たちは3時間ほどの道のりを次の32番札所まで歩く事に決めていた。途中で山から降りて道に迷ったからとタクシーを待っている一団と出会い、ちょっと言葉を交わして別れた。
「夕方から何とか言う歌手が来て音楽会があります。」と知らせながら車が通り過ぎた。だいぶ歩いて向こうから来る巡礼姿の男の人に出会い、あと30分ほどと聞いて元気を出してまた歩き出した。やっとたどり着いた立派な鐘楼のついた門前にバス停があるのを見てほっとする。岩盤を掘った磨り減った階段を登るとがけを背にした舞台づくりの細かい彫刻で飾られた立派な観音堂が有った。その裏手にも岩を掘った穴にいくつもの石仏が祀ってあった。境内にはシュウカイドウがきれいに咲いていた。
帰りのバスはすぐ降りる羽目になり、また30分ほど歩いて次の松井田のバス停に着いたが残念な事にほんの2分ほどの遅れで間に合わず、ひっきり無しに車の通る道路で50分待つことになってしまった。
沢山の野の花にであって3時間の歩きも心地よい疲れに替わった、なかなかの札所めぐりとなった。








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